2018年1月1日月曜日

202 検査は最悪

(一)検査結果は最悪
11月17日、検査データがそろい、ガンの詳細が判明した。ステージはD2で最悪、ガンを判断する三つの内訳は
①ガンの広がり=前立腺生検8本中7本に腫瘍細胞が見つかる
②ガンの顔つき=油断できないタイプ=悪性(グリソンスコア 2から10のうちの9 数字が大きいほど悪性)
③転移は、骨盤、脊椎、肋骨、肺、リンパ節

ガンのステージはAからDがあり、中でD2は最悪である。D3というのはあるがこれは再発した場合のステージである。
(402 前立腺ガンのステージ参照)
もう一つ最悪なのがグリソンスコア.検査の結果は「9」、つまりガンの顔つきが油断できないタイプ=悪性だということである。進行性で悪性のガンということでそれだけ扱いが難しいガンだということである。「全身に転移していて、悪性度の高いガン」と言われ、思わず「末期ガンですか」、と聞いてしまった。
(403 グリソンスコア参照)
医者がなんと答えたのかは覚えていない、頭の中が真っ白になってしまった。晩期ガンといったような記憶があるがはっきりしない。       
数日前、長男が、医者との面会に立ち会おうかと連絡してきたが、まだ自分の判断力は大丈夫だと答えて断っていた。それにもかかわらず、検査結果に直面すると、ひどく動揺してしまい、まあ情けない話である。それだけガンの検査結果は衝撃的であった。
医者は撮影写真を見ながら説明を始めた。全身の骨シンチグラフィーの映像には転移したガンの箇所が黒くでている。骨盤と足の付け根、脊椎、左と右の肋骨に転移がくっきりとみられた。別のCT写真からはリンパ節などに転移がみられ、また胸のレントゲン写真からは、もやのような白い影が肺の全体に広がり、肺への転移も認められた。全身にガンが転移している事実が、撮影をつうじて、まざまざと見せつけられたわけである。
(404骨シンチグラフィー参照)
肉親、親しい友人がガンで亡くなった経験が頭の中をかけめぐった。自分のこれからの闘病生活に思いをかけ、不安、恐怖でいっぱいだった。

(二)ガンの治療にホルモン療法
医者は状況説明のあと、ガンの治療についての説明に入った。前立腺ガンの治療法は①手術、②放射線、③ホルモン療法の三つがあるが、私の場合は、③ホルモン療法でいくと告げられた。このあと医者はホルモン療法とは何か、問題点はどんな点か、を説明していた。
(406ホルモン療法参照)
ここまで聞いたとき、なにか気持ちが楽になった。開き直りかもしれない。あとで気持ちを整理してみると
① 前立腺ガンは特殊なガンであり、適切な措置によって、私のような全身に転移した場合でも生きのこれる可能性があるかも知れないという「かすかな希望」

② 全身転移した進行ガンだったから、手術がなくなったという「安堵な気持ち」

③ 抗ガン剤、放射線という手段が取れなかったことで、逆に副作用で苦しむことがなくなったことによる「苦痛からの開放」(ガンといえば副作用。多くのガン患者が副作用で苦しんでいる)

④ ホルモン療法しか手段がないと聞いて、「反骨精神」が湧いてきた。「食事療法・野菜ジュース療法」があるじゃないかという「開き直った気持ち」になった。
色々な気持ちが交じり合っていたのである。自宅に帰って家内に以上のことを冷静に話し、後で触れる食事療法・野菜ジュース療法を頑張ろうと話した。

(三)5年生存率は29パーセント
 これは後で知ったことではあるが、インターネットで前立腺ガンの5年生存率を調べてみると、D(転移性ガン)レベルの場合は5年生存率が29パーセントであった。A(偶発的に発見されたガン)の場合の5年生存率は97パーセント、B(局部限定ガン)では100パーセント、C(局所浸潤ガン)では60パーセントであった。ほかのデータを見ても、Dレベルのうち骨や肺など遠隔点に転移している場合の5年生存率は20~30パーセントと、ほぼ同じ結果が報告されている。
(407前立腺ガンの5年生存率参照)

 早期に発見し適切な措置を取れば、前立腺ガンの場合の5年生存率は、他のガンに比べてきわめて高い。ところがリンパ節や骨や肺などに転移している場合には、通常の前立腺ガンと比べると5年生存率が極端に低くなる。あらためて、自分がおかれている状況がいかに厳しいかを認識させられた。

 なお、参考までにほかのガンの生存率についても調べてみた。全がん協のデータでもステージⅣ(遠隔転移がん)の場合は、いずれのガンでも急速に生存率が落ちているのが認められた。
(408全がん協五年生存率参照)

(四)先進医療「陽子ガン療法」
 「ホルモン療法」以外の別な治療法ということで、厚生労働省から先進医療として認可されている「陽子ガン療法」についても調べてみた。陽子を使う粒子治療の利点は、放射線治療のような副作用がないことである。患部のみをターゲットとする局所的な治療法で、局所制御率は96パーセントと非常に高い。    しかし局所の治療法のため、私のように全身に転移しているケースは適用できない。また保険適用外のため、国立がんセンターの場合で288万円と、かかる費用はべらぼうに高い。治療費を負担できたとしても、ガンが転移している場合には「先進医療」からも見放されているのである。
(405先進医療参照)

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