2018年1月1日月曜日

213 チョウが飛び立つ

213 チョウが飛び立つ (一)感動の一瞬
狭いベランダにあるレモンの植木鉢からアゲハチョウが飛び立っていった。ベランダで「いもむし」は「サナギ」になり、「チョウ」になったのである。
 私が朝のウオーキングから帰ってきて、ベランダにチョウを見に行くと、私を待っていたかのように羽根を広げ、飛び立っていった。
 あたかも「ありがとう」を言いたくて、私の帰りを待っていた。そんな気持ちが伝わってくるようで感動してしまった。
 
(二)チョウはレモンの木を知っている
食事療法でジュースを毎日飲み続けているとレモンの種が沢山でてくる。それをベランダにあった直径30cmぐらいの植木鉢に植えておいた。いつのまにか30-20cmぐらいに成長したところで、アゲハチョウの幼虫「いもむし」が来て食べ始めた。ものすごい食欲でレモンの葉は見る間に丸坊主になってしまった。そこで「いもむし」をレモンと同じ時期に植えておいたカボスの木に移してやった。幸いにして「いもむし」の食欲は落ちなかった。
 不思議なことにチョウはレモンの木には卵を産むのに、すぐ横にあるカボスの木には卵を産まないのである。私には同じ柑橘類で葉の形も殆ど同じに見える。レモンの木は葉っぱでもレモンの匂いがするが、チョウは匂いで植物の種類がわかるのだろうか。
「いもむし」は13日ぐらい過ぎると「サナギ」になった。「いもむし」から「サナギ」になったのを見たのははじめてである。毎日見ていたら10日目の早朝「サナギ」がねずみ色に変色していた。一時間ほどたった後、美しいチョウが誕生していたのである。飛び立ったのはこれからさらに3時間後のことであった

(三)「いもむし」は家族の一員
 今年の夏は四匹のアゲハチョウの「いもむし」が元気に育った。「いもむし」の呼び方は「いもむし」から「青むし」さらに「青ちゃん」と親しみをこめた呼び方に代わっていった。いまでは「いもむし」は完全に家族の一員である。
 サラリーマン時代は忙しい毎日で、チョウを見ている時間は無かったが、今は十分時間がある。一日何回も見ることができ、わが戦友を観察できるのが楽しみである。

(四)レモン屋敷の誘惑
 毎日野菜ジュースで発生するレモンの種をみていると、ベランダにあるいろいろな植木鉢にレモンの種を植えて、レモン屋敷にしたい誘惑に駆られる。
二年前「いもむし」から闘病生活中にもらった「贈り物」の恩返しができたらいいな、そんなことを考えながら、とりあえずプランタンの一つにレモンの種を七つほど植えてしまったのである。
 今年の夏は記録的な暑さであったが、「チョウが飛び立つ」はさわやかな夏の思い出になった。
2013.8.25記 (424飛び立つ寸前のアゲハチョウ)


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