2018年1月1日月曜日

206 植物の力

206 植物の力 植物中心の食事療法が、なぜ身体に効果的なのかいろいろ調べていくうちに、植物の持っている驚くべき力を知ることができた。順番に触れていきたいと思う。

(一)がん予防と植物性食品
 1990年アメリカの国立ガン研究所が「植物性食品がガンを予防する」という仮説を立ててプロジェクトを開始した。世界中の研究者がこのプロジェクトに参加し、どんな植物性食品がガンを予防する可能性が高いかを選定していった。
(411ガンとファイトケミカル参照)

 この研究過程で、植物に含まれる五大栄養素以外の化学物質が次々と発見されていった。緑黄色野菜だけでなく淡色野菜にも、白血球を活性化させ、ガン抑制効果や免疫力を高める効果などが見つかっている。植物由来の化学物質は、現在一万種以上見つかっている。これらの化学物質は、植物が紫外線や害虫、病原菌から身を守るために作り出してきたものであった。参考までに「にんにく」だけでも400以上の化学物質が見つかっているのである。

 植物由来のこれら化学物質は、生命を維持するために必要な栄養素としては、まだ分類されていない成分で、非栄養素=機能性成分ともいわれ、主に植物に含まれていることからギリシャ語で植物を意味するファイト・ケミカル(Phytochemicals=植物化学物質)あるいはファイト・ニュトリション(Phytonutrient=植物栄養素)と呼ばれているものである。 (412ファイトケミカル早見表参照)

 アメリカの国立ガン研究所は、膨大な量の疫学調査データを収集し、ガン予防に効果のある食品および食品成分約40種類をピックアップし、その重要性にあわせてピラミット型の図を作成した。40種類は三つのグループに分けられており、上段に行くほど効果が高い食品である。
(413デザイナーフーズプロジェクト参照)

第一のグループには、にんにく、キャベツ、大豆、にんじん、セロリ、生姜などがあり、
第二のグループには玉ねぎ、茶、玄米、全粒小麦、亜麻、柑橘系植物、ナス科植物(トマト、なす、ピーマン)、アブラナ科植物(ブロッコリー、カリフラワー)、
第三のグループにはメロン、オートムギ、キュウリ、ジャガイモ、大麦、ハーブ系植物、ベリー系植物)などであった。

よく知られた野菜・果物があげられている。
なじみの薄い西洋野菜とハーブを除けばごくごく身近な野菜・果物ばかりである。
日本人的感覚からいえば、なじみの薄い西洋野菜とハーブの代わりに「ゴマ、さつまいも、かぼちゃ、かぶ、大根、せり、にら、しそ、パセリ、わさび、ほうれん草」などが加わった日本版デザイナーフーズがあってもいいのではないかと思う。

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